2014年3月9日日曜日

3.9.家入かずまボラ、ネット選挙の今後を語る②

前回は家入かずまさんの選挙でどのような取り組みがあり、どのような成果があったかということを書きました。(記事を読む)

今回は家入キャンプから見えた、ネットを取りいれた選挙活動の課題について書いていこうと思います。

ネット選挙の課題


インターネットがそもそも抱える問題
年齢を問わずインターネットを活用していない人にはわかりにくいこと。

メディアをつかう力、広報力
特に家入さんがおこなった方法というのは本人にある程度のメディア力、広報力がなければ活用しにくい方法だという点があげられます。

いくら便利な機能をつかい、誰でも参加しやすい方法を使ったとしても、それをいかせる広報者がいなければその情報を届けられないということです。本人、または協力者にどれだけ「広報力」があるかという点は今後ネットを選挙にいかすための大きな課題になるでしょう。

双方向性のインターネットという問題点
インターネットには、ひとりのひとが何万人もの人に瞬時に情報を伝達できるという利点があります。そして何万人もの人から返事がくるという利点も。しかし、これは逆に欠点でもあるのです。間違った情報、失言も同時に伝わってしまいますし、何万人もの発言のなかから誰に返信するのか、どの発言をとりあげるのか、取捨選択をしなければならないという手間がうまれるのです。全ての人と平等に対話ができるわけではない、ということ。

投資に対するリターン
クラウドファンディングというのは見返りというと御幣がありますが、何か還元されるものが必要になります。家入さんの場合はこれに一緒に食事をとる、講演会をひらく、という条件が提示されました。こういった見返りが成立するためには、それまでの実績や、本人の人間的魅力などが必要となるため万人向けの方法ではない、ということになります。

有志の人たちをとりまとめる機関がなかったこと
これまでのピラミッド型のあつまったボランティアのかたに選挙陣営から「○○をします」といった指示がだされ、それに支援者が従って行動するという仕組みでした。

しかし、家入さんの選挙においては「△△をしたい」と言った人が協力者をみつけ、選挙法に違反しないかという確認だけをすれば好きに活動をおこなうことができていました。家入キャンプで立ち上がった主な活動をみてみましょう。

 ・アート部(選挙事務所内の装飾、来場者参加型のプロジェクト、雰囲気づくり)
 ・インタビュー班(街中や繁華街などでの有権者の声をひろう)
 ・ハック(ホームページ制作、マップ制作)
 ・政策すいあげ(twitterであつまった有権者の声を政策におとしこむ)
 ・動画制作(広報、宣伝に活用)
 ・写真撮影(広報、宣伝に活用)
 ・ポスター貼り貼り隊(掲示板のポスターを貼る)
 ・ポスティングまつり(チラシなどをポスティング)
 ・モ部(フラッシュモブを選挙宣伝にとりいれる)
 ・投票呼びかけ(ネット上でのチラシ「そうだ、期日前いこう」制作など)

こういった小さなアイディア、個人の得意分野をいかそうとした動きはピラミッド型の陣営ではうまれなかったかもしれません。

しかし、各グループのリーダーがわかりにくく、人数や行動も流動的であったため、全体の把握がむずかしいという問題があります。
「受付・総務」という役割がうまれたのも選挙期間終盤。つまり、個別にうまれた活動は個別で終わってしまったともいえます。

これを俯瞰でながめ、うまくいかせる人、マネージメントの必要性を感じました。

さて次回は家入キャンプでみえた課題から、
今後のネット選挙でもとめられる理想の形についてお話します。

「3.9.家入かずまボラ、ネット選挙の今後を語る③」