よろしければ、あわせてこちらも読んでみてくださいね。
「#市民災害救助隊ちちぶ にできたこと」
「助け合う 自助・共助・公助のつながり」
◇共助 ~市民災害救助隊マニュアル~
ひとりでも出来ることがありますが、今回は市民災害救助団体、町内会や青年部などある程度まとまりのある人たちが災害時に一定期間行うという前提で書きます。ここに書かれているすべてを実行できれば、あるいは準備をする、心構えをしておくだけでもかなりスムーズに活動を行うことができると思います。
しかし、災害時はまず自分の身の安全を確保し、出来る範囲で活動を行いましょう。
・「市民災害救助隊○○(地名)」を結成する
⇒平時に複数人で結成し、集合場所と連絡先を共有しあいます。災害時に立ち上げる場合は、友達や近所の方など顔見知りの方と協力する。
⇒自分たちの動ける範囲を明確にする。活動をするさい、車など移動手段はあるのか、ガソリンの備蓄があるのか、自転車と徒歩で移動できる範囲だけに限定するのかを決めます。
⇒複数の市民災害救助隊が立ち上がった場合は、連係をとって一つにまとまるか、細かな地域ごとに活動をわけるようにします。
・携帯番号、メールアドレスなど連絡先を公開する
⇒外部からの連絡先をひとつにまとめることで現場が混乱することもなくなりますし、どこで何が起きているか、だれがどこへ行ったのかという情報も集約することができます。
・行政、関連機関、町内会と連係する
⇒市民災害救助団体をたちあげたことを必ず、行政側に伝えましょう。可能であれば平時のうちに対応部署に「災害時は○○の地域で、○人が連係して安全面に配慮したうえで救助活動を行う」ことを伝え、連絡先などを交換しておきます。こうすることで出来ることに幅がひろがりますし、情報の集約が可能になります。
⇒地元に長く住んでいらっしゃる方や、町内会の方の連絡先を調べ、協力し合えることがないか青年団などが似た活動をしていないか確認する。独居の年配の方の家の情報や、作業車の置き場所や、足りない物資や情報を提供してださることもありますし、なにより町内会の人を通して活動を行うことで団体の信用度があがります。
・地元の地図、自分たちが活動できる範囲の詳細な地図を用意する
⇒救助が求められている場所を正確につかみ、記録するためにも紙の地図が一枚あると良いでしょう。生活道路の状況や、孤立集落などきめ細かい情報をあつめ、視覚化をはかります。
⇒ (災害発生から数日後?)地元郵便局、配達業者との連係。これは市民災害救助隊ちちぶで出たアイディアなのですが、郵便局や新聞・貨物の配達業者の方は災害時でもはやくに稼動を再開することが多く、地理情報に精通しています。そのため、ふさがっている道があれば情報を流してもらえるようにすることで、いちはやく地理情報を入手することができますし、雪害など繰り返し起こることが多い災害の場合は今後の道路整備などにも役立てることができます。自分たちの活動では対応しきれない規模の場合は、社会福祉協議会、または災害対応部署に連絡をします。
・SNSの活用
⇒SNSを活用する場合にはアカウントやページを取得しておくと良いでしょう。このとき【非公式】や【勝手連】といった立場を明確にする名称を頭につけておきます。
こうすると行政アカウントと誤解されることを防ぐことができます。
⇒活動の様子を撮影、公開することで団体の信頼度もあがりますし、寄付を募る場合などには活動報告の変わりになることもあります。また、今回のようにその後の災害救助の現場に役立つことがあります。
・災害時の情報基地局になる
⇒どの地域でどのような災害が起きているのか、避難所の開設状況など正確な情報を内部向けに広報する。東日本大震災でもそうでしたが、もっとも求められるのが情報であるといえます。Twitterなどは災害時でも比較的つながりやすい媒体ですので、出来るかぎり正確な情報をこころがけてください。
⇒ボランティアを受け付ける、物資が足りない、ボランティアセンターの開設状況、宿泊施設情報などの情報を外部向けに広報する。
⇒災害時に広報力のある災害情報や地域アカウントと相互フォロー(連係)しておくことで、アカウントの発した情報を拡散、たくさんの方に届ける拡声器の役割を担ってくれます。著名人など広報力のある個人が善意で協力してくれる場合もありますが、そこに任せきりになってしまうと負担が大きくなります。
(例)
災害に対して全国へ情報を拡散「#市民災害救助隊」は現地活動を行う。
担当者がツイキャスを行い、情報の収集・集約・確認、ツイキャスサポーターや視聴者、フォロワーいっせいに拡散できます。災害時の情報基地局としての機能は非常に有用であるといえます。
・ボランティア活動保険に加入する
⇒無償でのボランティア活動を行う場合には、全国の社会福祉協議会へ届出をするか、あるいは個人でも保険に加入することができます。外部の方にも救助隊へ参加していただく場合は近くの社会福祉協議会で保険に加入してから来ていただけると被災地へ行く途中での事故にも保険が適用されますし、事務負担が減ることを伝えましょう。
・協力者・団体を探す
⇒秩父での場合であれば日本カーシェアリング協会や、ボランティアに宿泊施設として解放してくださった星の夢など、作業をするうえで、あるいはボランティア受け入れのために必要な協力者を探しておきましょう。
基本的に有志でいらっしゃる方であれば宿泊装備なども持っていらっしゃることが多いと思いますが、協力者として頼める人がいれば何かと心強いです。
・救命講習を受講しておく
⇒これは事前に個人、あるいは団体として受講をおすすめします。応急手当やAEDの使い方、傷病者管理、心肺蘇生などが出来るようになります。最寄の消防署、または赤十字にお問い合わせください。※ただし、個人としては心理的負担が大きい行為であるため、向き不向きはあるかと思います。
・無償で行うのか、有償で行うのか決める
⇒たとえば活動拠点から災害発生場所までのガソリン代をどうするのか、撤去作業に必要な軍手やスコップなどはどのように集めるのか考えておくことが大事です。
⇒町内会で有事用に積み立てを行っている場合もありますし、外部からの寄付などを募る場合は作業後に収支報告を行えるよう提供者と金額や物品名をひかえます。
最低限、自助は行う、余力があれば近所の方に声をかける、SNSでの発信をしてみるといった身近な範囲から共助をおこない、さらに数人があつまって市民災害救助隊をたちあげる、といった取り組みが必要とされているように感じます。