2014年6月23日月曜日

2014.06.16 朝日新聞一面下広告 【見るもの×思うもの=見えるもの①】

【見るもの×思うもの=見えるもの】
2014.06.16 朝日新聞一面下広告。


〔婦人之友7月号〕
・これが基本!一軒の家の持ちもの

→ 一軒の家の持ち物という見出し、日本語に引っ掛かる。一軒の、家の、と繰り返して強調効果をねらったのだろうか。家とは台所、衣類、収納である、としているのが面白い。
自宅をリフォームしたとき何度も建築士の方に「ほんとにいいの?」と確認されたことを思い出す。本棚以外の収納はほぼ必要なし、収納に目隠しになる扉は不要など色々と想定外だったらしい。

・調理用具は1種類1つを基本に。台所まわり898点

→数がおかしい。そこから必要なものを選べという趣旨なのだろうとは思うものの、ナイフ1本あればどうにかなるとサバイバル意識が抜けきらない自分を確認。

・福島で語る 和合亮一/藍原寛子 失ったことば 生まれることば

→Twitterでフォローしている詩人の和合さんの名前に目を止めた。福島という言葉がすでに場所だけではなく、3.11を、そして原発事故を表す言葉になっていることを再認識する。
見出しを考えたのは誰だろう、福島×ネガティヴ×ポジティヴという言葉の構成はよく見るけれど、和合さんなら、失った、とは言わないのではないかと感じた。
ネガティヴ×ポジティヴな言葉は順序によって結論が変わる。

〔BRUTUS 780号〕
・もっと!おいしい酒場。

→東京、大阪、と小見出しが続くのに何故かよしよしと思う。頭のなかに自分の行ったおいしい酒場がいくつか浮かぶ。
おいしい酒場、という言葉に味が良いだけでなく、印象の良い接客や、そこで過ごした楽しい時間の積み重ねが自然においしい、に集約される。
酒場という言葉も良かった。以前、吉田類の酒場放浪記という番組に私の地元の店が出ていたと昔の恋人が嬉しそうに話していたことも思い出す。結局そこへは一緒に行かなかったけれど、楽しい約束が楽しいままに終わった切なさ愛しさも酒場という言葉にはよく似合う。

〔BIRDER 7月号〕
・日本産ハト類完全ガイド

→家の庭に営巣しようとしていた鳩夫婦は卵と共に消えたが、FBのお友だちのお家にひそかに巣をつくっているというポストを見た。
親も半年ごとに戻ってくる上に、子も自分の産まれた場所へ戻る習性があると聞いておののいたのが懐かしい。
夕食時から夜半まで、ツバメや雀はよくて鳩がダメというのは人のエゴではないか、もとあった巣から我が家へやって来たということは巣のあった場所がおそらく人の都合でなくなったのだから、、などと議論する家族は貴重なのかもしれない。

・ホネホネ博物館
→鳥好き、生き物好きは、その見た目や生態だけでなく、骨格や骨にまで愛着や興味がわくものなのか、と。
値段設定と世界遺産×鳥などを扱った内容からして中高年をターゲットにしたものだと思うが、ひょうきんなというか、くだけた見出しに、ターゲットは中高年の男性だなと見当をつける。
女性の鳥好きさん向け雑誌もあるんだろうか?

〔Journalism 6月号〕
・テレビ・ジャーナリズムが危ない/「権力監視がすっぽり抜け落ちたNHK報道」、「『美談』や『感動』にみんなで飛びつく民放」、視聴者はもっと大きな声を上げよう

→無理だろう、と咄嗟に思う。そしてどうやって?
ある一方で左翼と呼ばれ、もう一方では右翼と呼ばれるキャスターの顔が浮かぶ。職業倫理や使命感は、 個人の主義に基づいている。主義を変えるか、主義による主観に従うか、どちらかなのだろう。あるいは上からの指示に委ねるか。
さて、ニュース以外の民放番組を見なくなって久しい、美談や感動に飛び付いているのかと少し呆れる。
ネットコンテンツでも同じことだし、その他の表現にも通じるが、感動や美談というのは最後の商品なのではないか。そもそもそれはコンテンツではないのではないかと思う。
私が優しいだけのものが好きじゃないというせいもある。感動や美談を繰り返し消費することはつまりそのものの価値を低く見積もること。使い捨てることに抵抗感がある。

〔がんサポート7月号〕
・ 鎌田實対談・上田紀行さん/心がワクワクしないと病気は治らない
→ワクワクしないと病気は治らないというあまりにも極端な見出しにぎょっとして、鎌田先生の名前を見て「免疫とかね、あるしね・・笑うと免疫力あがるって論文もあったね、あれは作り笑いでも効果があるらしいし...」と自分で自分に言い訳してるのに気づいて笑った。

〔旅の手帳7月号〕
・青春18きっぷの旅

→SLは一度動いているのをみてみたいなと思いつつ、むしろ惹かれたのは小見出しの「5日間で日本縦断にチャレンジ」というところ。夏か秋か冬かに行ってみようかなと思う。
これまでだったら、日本縦断にあまり魅力は感じなかっただろうと思うのだけど。いまはなんとなく足で地を踏むということは大事なんだなと感じている。
世界一周している友人たち、日本一周をしている友人たち、それぞれに良い旅を願う。